最後の試験
中野四葉∬6話目
お父さん、「次はないよ」。
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四葉、「今まで失敗続きのわたしだけど勉強の神様、どうか今だけはわたしに
力をかしてください」。
四葉、「だって、あんなにみんなでがんばったんだから」。
一花、「エッチな本でも見たんじゃない」。
風太郎は五日が居ないことに怒っていた。「『ぜひ、やってください。そして、確かめてください。』 って言ってたじゃん」。
四葉、「なんというか言いづらいのですが、女の子には」。
風太郎、「試験より大切なことなんだろうな」。
みんなで遊園地に来ていた。
風太郎、「相乗り、いいな」。
四葉、「頭、隠してリボン隠さずですね」。
四葉、「それに姉妹で一番おバカなのです」。
風太郎、「みんな、知ってる」。
四葉、「いいえ、上杉さんは知りません。わたしがどれだけおバカなのか
わたしたちが転校してきた理由を知ってますか?」。
風太郎、「この前、一花から聞いたぞ。落第寸前だったって」。
四葉、「わたしたちの居た高校はいわゆる名門というところで試験に落ちれば
落第なんてめずらしい話しではありませんでした。当然、わたしたちが落ちるのも。
追試のチャンスが与えられて、みんなで再起をはかったんですが・・・」。
風太郎、「まさかお前だけ落ちたのか?」。
四葉、「さすが上杉さん。なんでも正解しちゃいますね」。
風太郎、落第したのは四葉一人だけ。それなのに全員が転校してきたということは。
四葉、「みんな、わたしについきてくれたんです。嫌な顔一つせずに」。
風太郎、「例の五人でいることが重要という教えか」。
風太郎、「しかし、救いでもあり。同時に大きな風となっているのも違いない」。
四葉、「だから、どうかお願いします。今は少しでも勉強させてください。
もうみんなのあしはひっぱりたくないのです」。
風太郎、「今日はオフだって言ったろ。だが、残り半周、手持ち無沙汰だな。
暇だしやるか。マンツーマン授業。今度こそ、理解させてやるぜ」。
四葉、「はい」。
四葉、「それは大丈夫です。ちゃんとできるようになりましたから」。
風太郎、「どれ、本当に。他の姉妹はあんなに苦労したのに」。
風太郎、「四葉」。
四葉、「まさかマウストゥーマウスをしようだなんて、正月のあれは事故です」。
風太郎、「光明が見えてきたぞ」。
風太郎、「お前らの親父は正しい。二人体制ならなんとかなるかもしれない」。
四葉、「できれば、おバカのわたしにもわかりやすく」。
風太郎、「国語はお前も教えるんだ」。
四葉、「え?わたしが」。
四葉、「無理無理無理無理無理無理無理」。
風太郎、「無理じゃねぇ。今までの試験結果から姉妹でも得意科目があるのは
気づいていた。三玖なら社会。五月なら理科。そして、四葉、お前は国語が
得意なんだ」。
四葉、「わたしが」。
風太郎、「何も特別なことはしなくていい。感じたまま言えば伝わるはずだ。
お前ができるなら他の4人もできるはず。五つ子なんだから」。
四葉、「おバカのわたしがみんなのお役にたてるのですか」。
風太郎、「いたらぬ教師ですまない.。これからは全員生徒で全員教師だ」。
四葉、「おバカなわたしにできることがあるんですか」。
風太郎、「そうだ。お前にしかできない仕事だ」。
四葉、「もうあしをひっぱるだけのわたしじゃないんですか」。
風太郎、「ああ。今度はお前がみんなの手を引いていくんだ」。
四葉、「はい。まかせてください。わたしが4人を合格させます」。
風太郎、「おいおい。お前が最優先っていうのを忘れるんなよ」。
風太郎、「四葉、試験の結果どうだった?」
四葉、「ありがとうございます。はじめて報われた気がします」。
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