四葉、「上杉さん」。

四葉、「いよいよ明日ですね」。
風太郎、「何が？」

四葉、「きまってるじゃないですか」。

四葉、「これです。林間学校ですよ。しおり、ちゃんと読みましたか？」。
風太郎、「読んでねぇよ」。
四葉、「楽しいイベント満載ですよ」。

四葉、「飯盒炊さんに」。

四葉、「スキーでしょ」。

四葉、「釣りや」。

四葉、「ハイキング」。

四葉、「そして、キャンプファイヤー。ダンスの伝説。そのフィナレーの瞬間に踊ってた ペアーは生涯を添い遂げる縁で結ばれると言うのです。それがきっかけで付き合い始める カップルもたくさんいるそうです」。

風太郎、「言ったろ。学生同士の付き合いなんて時間の無駄だ」。

四葉、「でも、好きな人とはお付き合いしたいじゃないですか。ね、三玖」。
四葉、「三玖？」。
三玖、「なんで好きな人と付き合うんだろう」。
四葉、風太郎、「えっ？！」。
一花、「それはね。その人のことが好きで好きでたまらないからだよ。 三玖も心あたりがあるんじゃない？」
三玖、「ないよ」。
風太郎、「よし。みんな、揃ったし勉強始めるぞ」。
四葉、「えっ？今日もですか」。
一花、「わたしは撮影あるからパス。ってメール送ったんだけどな」。
風太郎「え？あっ」。
四葉、「わたしも明日の準備を。えへへへ」。
風太郎、「おい、こら、待て。全く」。
一花、「三玖、クラスで林間学校の打合せがあるんだけど、いつものお願い」。
三玖、「わかった」。

四葉、「上杉さんが林間学校で着る服をチョイスしまーす。まずはわたしから」。

四葉、「派手な服を選びました」。

二乃、「あんたのためじゃないわ。ダサい服着て、近寄られたら迷惑だからよ」。

四葉、「でも、男の人と一緒に服を選んだり、買い物するのってデートって感じみたいですね」。

四葉、「上杉さーん。しおり一通り読んでくださいねー」。

四葉、「こっちこっち」。

四葉、「それでは出発！」。

二乃、「旅館の前にもう一部屋あったじゃない」。
四葉、「明日、死んでるよ」。

四葉、「こんなの食べちゃったら明日のカレーが見劣りしそうだね」。

四葉、「誰も隣に行きたくないのなら」。

四葉、「上杉さん、わたしがこの林間学校を上杉さんの想い出の1ページに してみせます」。

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